iPhoneにおける5G通信の実態〜“世界が変わる”は本当か?5Gの現状とこれから〜

こんにちは!埼玉県さいたま市浦和のiPhone修理専門店『iPhone修理のスマケア工房』店長です。ご覧いただきありがとうございます。
当店は「即日対応・データそのまま・安心品質」をモットーに、iPhoneのバッテリー交換や画面修理、水没復旧など幅広く対応しています。浦和駅から徒歩圏内でアクセスしやすく、地域の皆さまに信頼いただける修理サービスを目指しています。
今回のテーマ
本日のテーマは「iPhoneにおける5G通信の実態」です。
2020年春に日本でスタートした5G通信。「超高速」「超低遅延」「超多接続」というキャッチコピーとともに、「この技術で世界が変わる」と言われていました。

そしてAppleは同年発売のiPhone 12シリーズでいち早く5Gに対応。以降、最新モデルであるiPhone 17シリーズまで、すべてのラインナップが5G対応となっています。
ところが実際のユーザーの声を聞くと、
- 「5Gマークが出てるのに速くない」
- 「気づいたら4Gに戻ってる」
- 「正直、何が変わったのかわからない」
という意見が非常に多いのが現実です。
ではなぜ“理論上20倍速い”はずの5Gが、実感としてはそこまで感じられないのでしょうか? 本記事では、iPhoneユーザーの視点から見た日本の5G通信の実態を、技術・環境・Apple独自仕様の観点でわかりやすく解説します。
そもそも「5G」と「4G」の何が違うのか
まず基本をおさらいしましょう。5Gとは「第5世代移動通信システム」の略で、以下の3つの進化を目指しています。
- 高速通信:最大20Gbps(理論値)=4Gの約20倍
- 低遅延:応答速度が1ms前後まで短縮
- 多接続:同時に多数の機器をネットに接続可能
つまり、5Gは「単なるスピードアップ」ではなく、IoT時代の通信インフラとして設計された規格なのです。たとえば、医療・自動運転・AR/VRなど、リアルタイム性が求められる分野でこそ真価を発揮します。
しかし、iPhoneユーザーが日常で感じるのは主に「通信速度」。ここが想像以上に伸びないのが日本の現状なのです。
日本で“5Gが遅い”と感じる3つの要因
1.実は「ほとんどSub6」だから
日本の5Gエリアの約9割以上は「Sub6(サブシックス)」と呼ばれる中帯域電波を使用しています。Sub6は広範囲をカバーしやすい反面、通信速度は4Gと大差ないのが特徴です。理論値は高速でも、実際には下り300〜600Mbps前後が一般的。
一方、「ミリ波(mmWave)」と呼ばれる超高速帯は日本ではごく一部の都市部にしか整備されていません。しかも日本国内で販売されているiPhoneはミリ波非対応。つまり、iPhoneでは“本当の5G”を体感できないという構造的な理由があります。
2.エリアとキャリアの整備状況が不均一
NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアはそれぞれ5G網を整備していますが、そのエリアや品質にはかなりの差があります。都市中心部では5G接続が安定する一方、郊外ではすぐに4Gへ切り替わってしまうケースも。
特に楽天モバイルなどは独自バンドを使用しており、建物内では電波が届きにくいこともあります。結果、5G表示が出ていても実際は4Gで通信しているという「名ばかり5G」状態が起きやすいのです。
3.iPhoneは“安定性優先”の通信制御
AppleはOSレベルで安定性を重視する設計方針を取っており、通信が一時的に不安定になると自動で4Gに切り替えるようになっています。つまり、「安定した4G通信」を優先する賢い仕組みが、逆に“5Gを感じにくい原因”にもなっています。
5Gを使う前に確認すべきiPhone設定
5Gエリアにいても4Gのまま、という場合は設定を見直しましょう。
【設定手順】
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」
- 「5Gオン」または「5Gオート」を選択
・5Gオン:常に5Gを優先(バッテリー消費は多い)
・5Gオート:安定性を見て自動で切り替え
バッテリーを気にしない環境では「5Gオン」、普段使いでは「5Gオート」がおすすめです。
iPhoneで実感できる5Gの利点
- 大容量アプリ・アップデートの高速DL:App StoreやiOS更新での待ち時間が短縮されます。
- 動画ストリーミングの安定再生:YouTubeやNetflixで4K再生がスムーズ。
- テザリングの快適化:外出先でノートPCを使う際、5Gテザリングの恩恵は大きいです。
- クラウド連携アプリの高速同期:Google DriveやiCloud Driveでのアップロード速度が安定。
ただし、これらの恩恵を受けるには「安定した5Gエリア」が条件です。
意外と知らないiPhoneの“ミリ波非対応”問題
米国モデルのiPhoneには、側面に「ミリ波アンテナ窓」が搭載されていますが、日本版にはそれが存在しません。Appleは「日本ではミリ波のインフラが十分でない」ことを理由に非対応としています。
これにより、日本のiPhoneユーザーは「Sub6のみ」で5Gを利用することになります。通信速度だけで見ると、4G+(LTE Advanced)と大差ないケースも珍しくありません。
将来の5G、そして「6G」への展望
今後、日本でもミリ波エリアの拡大や5G SA(スタンドアロン)方式の導入が進む予定です。現在の5Gは4G基盤を利用した「NSA(ノンスタンドアロン)」方式が主流ですが、SA方式では完全な5G専用通信となり、低遅延・高速・安定通信が本格化します。
さらにNTTやKDDIは、次世代通信「6G」開発をすでに始動。2030年前後には商用化が見込まれています。
5G通信を快適に使うコツ(実践編)
- ケースを外してみる:厚手のケースが電波を遮断している場合があります。
- 最新iOSに更新:通信制御はOSによって改善されることが多いです。
- SIMカードの劣化に注意:古いSIMでは5G非対応のことがあります。
- キャリアのエリアマップを確認:実際の5Gエリア外かもしれません。
- モバイルデータ通信を再起動:一時的な接続不良をリセットできます。
修理店スタッフが見た“5G時代の落とし穴”
当店でも「5Gにしてから通信が安定しない」「電池の減りが早い」という相談が増えています。実はこれ、5G特有の電波切り替え頻度が影響しています。
4Gと5Gを頻繁に行き来する環境では、モデムが常に負荷を受け、結果的にバッテリーの消耗が早まるのです。これも「5Gエリアがまだ完全ではない」ことの裏返しと言えます。
まとめ:5Gの現状を“正しく理解して使う”
- 日本のiPhoneはミリ波非対応(Sub6のみ)
- 実際の通信速度は4G+と同等〜1.5倍程度
- Appleは安定性重視で自動的に4Gへ切り替える
- 今後のSA方式や6G登場で本領発揮が期待できる
5Gという言葉だけが先行してしまいがちですが、現時点では“実用段階”というより“発展途上のインフラ”です。とはいえ、iPhoneの通信技術は確実に進化しており、将来的にはAIやクラウド連携、ARなどの分野で5Gが真価を発揮するでしょう。


