旧型iPhone復活の壁『SIMロック』とは?〜格安SIMで安く使いたい人こそ知っておきたいこと〜

こんにちは!埼玉県さいたま市浦和のiPhone修理専門店『iPhone修理のスマケア工房』店長です。ご覧いただきありがとうございます。
当店は「即日対応・データそのまま・安心品質」をモットーに、iPhoneのバッテリー交換や画面修理、水没復旧など幅広く対応しています。浦和駅から徒歩圏内でアクセスしやすく、地域の皆さまに信頼いただける修理サービスを目指しています。
今回のテーマ
本日のテーマは「旧型iPhone復活の壁『SIMロック』とは?」です。
- 子どもに自分のおさがりのiPhoneを持たせたい
- 今のiPhoneが急に壊れた時の予備機として、家にある古いiPhoneを復活させたい
- スマホ代を下げたいから、安い中古iPhone+格安SIMで運用したい

最近こういったご相談が増えています。ところが、その復活プランの前に立ちはだかる「古いiPhoneならではの障壁」それが『SIMロック』です。
今のiPhoneではあまり聞かない言葉になってきましたが、中古端末・押し入れから出てきた旧型端末では、まだまだ現役の機能です。さらにもうひとつ、忘れてはいけないのが「APN設定」というステップ。実はこのAPN設定ができないと、SIMロックを解除してもネットが使えない場合があるのです。この記事では、
- SIMロックとは何か
- なぜそれが問題になるのか
- 格安SIMで使う時に発生する「APN設定」という壁
- 安心して使い始めるためのチェックリスト
を、修理店兼サポート店の立場から、わかりやすく解説します。
SIMロックってそもそも何?
SIMロックとは、ある通信会社(ドコモ・au・ソフトバンクなど)で購入したiPhoneを、その会社の回線でしか使えないように制限している仕組みのことです。たとえば「ソフトバンクで買ったiPhoneにドコモのSIMカードを入れても電波をつかめない」それがSIMロックの状態です。これは、昔の携帯電話ビジネスでは当たり前の仕様で、「うちで買った端末は、うちの回線でしか使わせませんよ」という縛りでした。
現在は総務省のルール変更などもあって、最近のiPhoneは基本的にSIMフリー(どの会社のSIMでも使える)で販売されています。そのため「SIMロック?なにそれ?」という若い世代もいます。ただしここが落とし穴で、少し前の世代のiPhone(たとえばiPhone 6s〜iPhone 12くらいまでのキャリア購入品)には、まだSIMロックが残っていることがあるんです。つまり「古いiPhoneを安く再利用したい」=「SIMロックの確認(解除)が必須」ということになります。
まだ使える古いiPhoneにSIMロックが残っていると何が困る?
困るのは主にこの2つです。
1.他社のSIMカードが使えない
たとえば、以前はauで使っていたiPhoneを、ドコモのSIMで使いたい。このときSIMロックがauのままだと、ドコモのSIMは入れても圏外のまま。電話もデータ通信もできません。
2.月額の安い格安SIMに乗り換えられない
「スマホ代を安くしたいから格安SIMにしたい」という動機は、特に旧型iPhone復活の時に多いです。でもSIMロックが解除されていないと「その格安SIM回線を使うことがそもそもできない」というオチになります。
つまりSIMロックは「このiPhoneを自由に使いまわしたい」を奪う制限なんですね。
自分のiPhoneはSIMロックされてる? 確認方法
ここはぜひ実機でやってみてください。
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「情報」をタップ
- 下のほうにある「SIMロック」という項目を見る
→「SIMロックなし」または「SIMフリー」的な表示ならOK
→「SIMロックあり」などと表示される場合は、ロックが残っている状態です
この表示が「あり」になっている場合、そのままだと他社のSIMカードを入れても通信できません。次のステップとして「SIMロック解除」の手続きが必要になります。
SIMロック解除ってどうやるの?
基本は次の2パターンです。
1.オンラインで解除
ドコモ/au/ソフトバンクなど、多くのキャリアはマイページ(My docomo、My au、My SoftBankなど)で無料のSIMロック解除手続きを用意しています。IMEI(端末の識別番号)を入力して、ロックを外す申請を行う流れです。
- メリット:早い・無料(であることが多い)・来店不要
- デメリット:元の契約者本人のアカウント情報が必要になることがある
中古で手に入れたiPhoneの場合、そもそも「元の契約者が誰かわからない」「ログインできない」ということもあります。そうなるとオンライン解除は難しい場合もあり得ます。
2.店頭で解除
キャリアショップに持ち込んで解除してもらう方法です。多くの場合は手数料(〜3,000円前後程度)がかかります。本人確認書類が必要になるので、だれの名義の端末なのかによっては断られるケースもあります。ここが中古端末のつらいところで「名義が違うから解除不可」というパターンも実際にあります。
SIMロックを解除できれば、それでもう使えるの?
ここで多い勘違いが「SIMロックさえ外せば、どの回線でもすぐネットできるんですよね?」というもの。残念ながら、あと1ステップあります。それが『APN設定(通信設定)』です。これをしないと、SIMカードが挿さっていてもモバイルデータ通信ができないことがあります。
ただし、日本の大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル※)のAPN設定は、iPhoneのシステムが標準対応しています(※システムが古いと楽天モバイルに標準対応していない場合があります)。なので、改めて設定する必要はありません=SIMカードを挿すだけで繋がります。以下の説明は『主に格安SIMを使用する際』に必要な内容です。
APN設定ってなに? なぜ必要?
APNとは、かんたんに言うと「この回線をどういうルールで使いますか?」という通信先の情報です。格安SIM(いわゆるMVNO)は、ドコモ回線・au回線などを間借りして運用していることが多く、それぞれが独自のAPN情報を持っています。iPhoneは、そのAPN情報が合っていないとモバイルデータ通信(4G/5G)がつながりません。つまり、SIMロックを解除しただけではデータ通信できない場合があるのです。ここでつまづく方、とても多いです。
APNで起きがちなトラブル例
- 電話はできるのに、なぜかネットだけつながらない
- Wi-Fiつないでる間は普通に使えるのに、外に出ると「圏外みたいな動き」になる
- メッセージアプリやLINEの通知が来ない/遅れる
- インターネット共有(テザリング)ができない
これは、ほとんどが「APN設定が合っていない」「古いプロファイルが残っている」などの設定不整合です。
APN設定はどうやってやるの?
格安SIM会社が、それぞれ公式に手順を案内しています。一般的にはこんな流れです。
- Wi-Fiにつながった状態で、格安SIM会社が案内している「APN構成プロファイル」をダウンロード
- iPhoneにプロファイルをインストール
- 再起動、またはモバイルデータ通信をオン/オフし直す
- 4G / 5Gマークが立つか確認
この設定、スマホ慣れしている人にとっては数分の作業なんですが、慣れていない方にはけっこうハードル高いです。特に「すでに別の会社のAPNプロファイルが入っていて、それを消さないと新しいプロファイルが入らない」というケースも多いです。これが原因で「つながらないから壊れてるのかと思った」というご相談もあります。
まとめるとどうなる?(よくあるパターン)
「古いiPhoneを安く使いたい」
↓
「格安SIMを契約すればいいよね?」
↓
「…あれ?SIM入れてもつながらない」
↓
実は・・・
- SIMロックが残っていた
- SIMロックは解除したが、APN設定をしていなかった
- そもそもそのiPhoneが回線の周波数帯に合っていない(まれに海外版など)
という流れでつまづく、というのが典型例です。
特に「子ども用に安い中古iPhone+格安SIMで最低限の通信だけ使わせたい」というニーズはすごく多いのですが、親御さんの側からするとこの手順が正直厄介なんです。ここで「スマホ初期設定サポートしてほしい」というご相談を、いただくことがあります。
中古・おさがりiPhoneを使い始める前のチェックリスト
実際に使い始める前に、これだけは確認しておきましょう。
- 【SIMロック】「設定 → 一般 → 情報 → SIMロック」が「なし」になっているか
- 【アクティベーションロック】前の持ち主のApple IDが残っていないか
- 【バッテリー最大容量】極端に減っていないか(80%以下は交換をおすすめ)
- 【通話テスト】電話としてつながるか
- 【データ通信テスト】4G / 5Gマークがちゃんと立つか
- 【APN設定】格安SIMのプロファイルは正しくインストール済みか
- 【緊急連絡手段】発信テスト(お子様用端末の場合は特に大事)
このあたりをクリアしていれば「中古iPhone+格安SIM」は、かなりコスパがいい運用方法になります。スマホ代は確実に下がりますし、最新モデルをいきなり買わなくても、十分日常用途に耐えます。
当店でできるサポート
- SIMロックの状態チェック
- SIMロック解除の相談案内
- 格安SIM用のAPN構成プロファイルのインストール代行
- モバイルデータ通信テスト/通話テスト
- バッテリー状態チェックと交換
- お子様用に使う場合の機能制限(スクリーンタイムなど)の初期設定
「この端末、まだ使える?」「これ、子どもに持たせても大丈夫?」という段階でも全然OKです。実物を見ながら、そのiPhoneがまだ現役で使えるのか、逆に買い替えたほうがいいのか、はっきりお伝えします。
まとめ:SIMロックとAPNをクリアすれば、まだまだ使える
昔のiPhoneが“単なる古いスマホ”で終わるのか“月額の安いサブ機”として生まれ変わるのか。その分かれ目は、実は「ハードの寿命」より、設定面の壁にあります。
- SIMロックを解除して、好きな回線を選べる状態にする
- 格安SIMのAPN設定をきちんと入れて、データ通信できる状態にする
- Apple IDや子ども用の管理も含めて、安全に使える状態にする
この3つが揃えば、旧型iPhoneでも普通に現役として使えますし、サブ回線用・子ども用・予備機としてはむしろ理想的です。
「やってみたいけど、正直ちょっと不安」という方は、浦和の当店にお気軽にご相談ください。設定の壁を一緒に越えて「まだ使えるはずのiPhone」を、ちゃんと「使えるiPhone」にしてお渡しします。

