iPhoneの防水性能の現実〜防水と思っていても水没してしまう理由とは〜

店長

こんにちは!埼玉県さいたま市浦和のiPhone修理専門店『iPhone修理のスマケア工房』店長です。ご覧いただきありがとうございます。
当店は「即日対応・データそのまま・安心品質」をモットーに、iPhoneのバッテリー交換や画面修理、水没復旧など幅広く対応しています。浦和駅から徒歩圏内でアクセスしやすく、地域の皆さまに信頼いただける修理サービスを目指しています。

今回のテーマ

本日のテーマは「iPhoneの防水性能の現実」です。
当店には「お風呂で動画を見ていたら画面がつかなくなった」「雨の中で使っていたら突然シャットダウンした」など、水没トラブルのご相談が絶えません。

サムネール

iPhoneは「防水仕様」として知られていますが、現実には水没してしまうケースが多いのです。ではなぜ「防水なのに水没する」のでしょうか?今回は、iPhoneの防水性能の仕組みと限界、そして水が侵入する場所や防止策を、修理店の現場から解説します。

iPhoneの防水性能は「完全防水」ではない

まず大前提として、iPhoneの防水機能は『防水』ではなく『耐水』です。Appleの仕様表には「IP67」「IP68」といった等級が記載されていますが、これは「新品」「真水」「静止状態」という限定条件下での試験結果です。例として、

  • iPhone 7〜XR:IP67等級(最大1m深さで30分)
  • iPhone 11以降:IP68等級(最大2〜6m深さで30分)

つまり「防水」は実験室レベルでの話であり、日常生活のように動かしたり、温度差があったり、経年劣化している状況では性能が大きく落ちるのです。特に購入から2年以上経過したiPhoneは、内部の防水シールが硬化・劣化し、ほとんど“防水機能がない”状態になっている場合もあります。

水没トラブルが発生する主な原因

修理現場でよく見られる『防水突破』の原因を整理してみましょう

1.経年劣化による防水パッキンのゆるみ

防水性能を保つためのシリコンパッキンや粘着テープは、熱や圧力、経年劣化により徐々に硬化していきます。新品時には水をはじいていたはずが、2年目以降は内部に湿気が入り込むレベルに低下していることも珍しくありません。

2.修理歴や落下による筐体の歪み

落下や衝撃によって、わずかでもフレームが歪むと防水シールが均一に密着しなくなり、水の通り道が生まれます。さらに、画面やバッテリーの交換歴がある端末では、再組み立ての際に防水テープを再利用していることがあり、これも防水性能低下の一因となります。

3.水圧や温度差による影響

IP等級試験では静止水を使用していますが、実際の生活ではシャワー、プール、お風呂など動きのある水流や温度差にさらされます。特にお風呂の湯気は高温多湿環境であり、内部の空気膨張→隙間拡大→水分吸引というプロセスで水没が発生しやすくなります。

4.真水以外の液体への接触

Appleがコミットしているのは真水での耐水試験のみです。海水、汗、洗剤、ジュース、アルコール消毒液などは化学的に腐食性があり、内部パーツやシール材を破壊してしまう危険があります。「夏に海で撮影したあとすぐ壊れた」という事例も少なくありません。

水が侵入しやすい場所とその特徴

外装に大きな損傷がなくても、iPhoneには「構造的に水が入りやすいポイント」が複数存在します。

  • SIMトレイ部分:
    トレイの隙間にあるシールは薄く、水圧で押し込まれると容易に突破される。SIMピン穴からも侵入リスクあり。
  • イヤースピーカー(受話口):
    通話時に使う音孔部は開放構造。湿気・水滴・汗などが侵入しやすく、Face IDユニット近くの故障原因になりやすい。
  • ラウドスピーカー(下部スピーカー):
    音を出すためにメッシュ状の開口があり、気圧変化で水分が押し込まれる。
  • 充電コネクター(Lightning/USB-C):
    最も開口が大きく、濡れた手での操作や結露でショートしやすい。接点が腐食すると充電不能に。
  • 気圧ベント(通気孔):
    防水シール内部の圧力調整用の微細孔。見た目ではわからないが、強い水圧で突破されやすい箇所。

これらは防水構造の“盲点”とも言える部分で、見た目は問題なくても内部が湿っていしまうことが非常に多いのです。
さらに、外部損傷がある場合はリスクが格段に高まります。

  • フロントパネル(画面)やバックパネルのヒビ割れ:
    ガラスの隙間から水分が毛細管現象で吸い込まれ、液晶や基板まで達する。
  • フレームの歪み・ネジ部の欠損:
    再接着が不完全になり、わずかな隙間でも水が侵入。
  • カメラレンズの割れ:
    直接レンズ内に水滴が侵入し「曇り」「水滴跡」「黒点(腐食)」が発生。最終的にアウトカメラ交換が必要になるケースが多い。

「防水=保証」ではない

そもそもApple自身が「防水ではなく耐水」と明記しており、水没はあくまで『自損』扱いになります。AppleCare+に加入していても「液体による損傷」は基本的に保証対象外となり有償修理となります(割引有)。ほとんどの場合「本体交換」となるので、バックアップのないデータは消えてしまう可能性が高いです。

修理店に「水没トラブル」の相談が多いのは、このような事情によるものと考えられます。

防止策:日常でできる5つのポイント

  • 防水ケースを使う:完全密閉タイプなら、シャワーや海辺でも安心。
  • 濡れた時は絶対に通電しない:電源オン・充電は厳禁。まずは乾燥。
  • お風呂・サウナ・プールでは使用しない:そもそも水気に近づけないことが大事。
  • 修理歴がある端末は特に注意:分解経験があると防水シールの密閉度が低下します。
  • 定期的なバックアップ:不測の水没トラブルに備えることも重要です。

まとめ

iPhoneの防水性能は確かに高い技術で実現されていますが、あくまで「防ぎきれるかもしれない」レベルです。新品でも条件がそろえば水没することがあり、長年使っている端末ではなおさらリスクが高まります。「防水だから安心」ではなく、「水が入らないように注意して使う」ことが本当の防水対策です。もし水に触れてしまった、カメラが曇った、音がこもる…などの症状が出たら、早めにご相談を。

浦和でiPhoneの水没修理なら当店へ!経験豊富なスタッフが『データを守る』ための最善策をご案内します。