iPhoneの「圏外病」とは?〜原因と対策を修理店が詳しく解説〜

店長

こんにちは!埼玉県さいたま市浦和のiPhone修理専門店『iPhone修理のスマケア工房』店長です。ご覧いただきありがとうございます。
当店は「即日対応・データそのまま・安心品質」をモットーに、iPhoneのバッテリー交換や画面修理、水没復旧など幅広く対応しています。浦和駅から徒歩圏内でアクセスしやすく、地域の皆さまに信頼いただける修理サービスを目指しています。

今回のテーマ

本日のテーマは「iPhoneの「圏外病」とは?」です。最近ご相談が増えているトラブルのひとつに

「突然、iPhoneが圏外になってしまう」

という症状があります。

サムネール

いわゆる『圏外病(けんがいびょう)』と呼ばれるもので、非常に厄介かつ修理難易度が高く、しばしば 基板の深刻な故障が原因となる重度トラブルです。しかし、すべてが致命的な故障とは限らず、実は 買い替える前に確認すべきポイント がいくつか存在します。
この記事では、

  • 圏外病とは何か
  • なぜ起こるのか
  • 直るケース/直らないケース
  • メーカー保証の可能性
  • 買い替え判断の基準

を修理店の視点からわかりやすく解説していきます。

圏外病とはどんな症状?

「圏外病」とは、SIMが正常でも電波を一切つかまなくなる状態を指します。
よくある症状は以下のとおり:

  • 画面左上が常に「圏外」または「検索中」
  • 再起動しても変化なし
  • 機内モードのON/OFFでも改善しない
  • キャリア設定のアップデートも不可
  • SIMカードを別のiPhoneに入れると正常に使える

つまり、SIMや回線側ではなくiPhone本体側の異常が濃厚です。

圏外病の主な原因

圏外病の原因は複数ありますが、もっとも多いのは基板レベルのハード故障です。

1.基板上のベースバンドIC(通信チップ)の故障

圏外病の9割はこれです。

● なぜ壊れるの?
・落下や衝撃の蓄積
・基板のわずかな歪み
・熱ストレスによるハンダクラック
・部品の経年劣化

iPhoneには「ベースバンドIC」という通信の要となるチップがあり、これが基板からわずかに浮いたり、接点が劣化すると通信機能が完全に失われます。

2.iOSの異常・キャリア設定の不一致

まれに、ソフトウェア的な不具合が原因となるケースがあります。

・iOSアップデート直後のエラー
・キャリア設定が古い
・プロファイルがおかしい

この場合は、アップデートや設定リセットで改善することがあります。

3.SIMカードの汚れ・接点不良

SIMの読み込みに失敗しているケース。裏面に傷・汚れ・歪みがあると圏外になることがあります。

4.キャリア側の大規模障害

最近は珍しくありません。特に都市部では一時的な通信障害がニュースになります。

諦める前に確認したい「改善する可能性があるチェック項目」

圏外病=即『重度故障』と決めつける必要はありません。以下のチェックは必ず試してみましょう。

  • iPhoneの再起動:
    意外とこれだけで直ることがあります。
  • 機内モードのON/OFF:
    通信モジュールがリセットされます。
  • キャリア設定アップデート:
    設定 → 一般 → 情報
    数秒待つと表示されることがあります。
  • iOSアップデート:
    最新バージョンで改善する場合があります。
  • ネットワーク設定リセット:
    設定 → 一般 → 転送/リセット → リセット →「ネットワーク設定をリセット」
    Wi-Fiパスワードが消える点だけ注意。
  • SIMカードを抜き差しし清掃:
    ・SIMトレイの歪み
    ・接点の汚れ
    ・SIM自体の故障
    これらで圏外になることもあります。
  • 他のキャリアSIMで試す:
    SIM側の不具合か、本体側の問題か切り分けできます。

上記をすべて試しても改善しない場合、基板のベースバンドIC故障が濃厚です。

基板修理は可能?→「可能だが、あまりおすすめしません」

街の修理店には、ベースバンドICの“載せ替え”ができる専門業者も存在します。

  • 高度なハンダ作業
  • 顕微鏡下でのチップ再実装
  • リフロー、ジャンパー処理

などを行うことで通信を復活させることはできます。

しかし、当店としてはおすすめしにくい理由

  • 修理費用が高額:
    一般的に35,000~55,000円 が相場。
  • 再発リスクが高い:
    ICチップを再装着しても
    ・基板の歪み
    ・ハンダボール疲労
    が再発しやすく、長期の安定性が保証できません。
  • そもそもの故障原因は解消されない:
    使用環境や内部の状態などの根本要因は消えていないため、半年〜1年以内に再発するケースが珍しくありません。

メーカー保証で無償修理になる可能性

実は、圏外病は「特定の条件下でAppleの保証対象」になることがあります。

  • 購入1年以内の自然故障
  • AppleCare+加入中で購入2年以内
  • メーカーが「製造上の問題」と認めた時

過去には「iPhone 7」の圏外病についてAppleが公式に「製造上の問題」と認め、無償修理プログラムを実施したことがあります。

まずはAppleサポートに相談する価値が十分あります。

まとめ:圏外病は“買い替え検討すべき” 重度故障

圏外病は、発生するとほとんどが『基板レベルの致命的故障』です。

  • 基板修理は高額で不確実
  • 耐久性も保証できない
  • そもそも再発率が高い

そのため、当店としては「基本は買い替えが最もコストパフォーマンスが良い」と考えています。
ただし例外として、

  • 保証期間内
  • メーカー無償プログラム該当
  • ソフトウェア起因の軽度トラブル

であれば買い替えなくて済む可能性があります。まずは設定リセットやアップデートで改善する場合もあるので、必ず確認しましょう。メーカー保証の可能性もチェックすべき項目です。

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