【修理事例】iPhoneSE3のホームボタン交換〜ホームボタンは直らないと言われた方へ〜

店長

こんにちは!埼玉県さいたま市浦和のiPhone修理専門店『iPhone修理のスマケア工房』店長です。ご覧いただきありがとうございます。
当店は「即日対応・データそのまま・安心品質」をモットーに、iPhoneのバッテリー交換や画面修理、水没復旧など幅広く対応しています。浦和駅から徒歩圏内でアクセスしやすく、地域の皆さまに信頼いただける修理サービスを目指しています。

今回のテーマ

本日のテーマは「iPhoneSE3のホームボタン交換事例」です。先日、お客様から「ホームボタンが反応しない」というご相談をいただきました。端末はiPhoneSE3。確認したところ、ホームボタン部分に細かいヒビが入っており、押しても反応しない状態でした。当然ながら Touch ID(指紋認証) も使用できません。

サムネール

お客様は現在、AssistiveTouchを「擬似ホームボタン」として利用されていましたが「やはり物理ボタンの操作感が恋しい」とのことでご来店くださいました。

修理前の状態とご案内

お客様には、以前の記事「iPhoneホームボタン修理のすべて」でもご紹介したように、Touch IDは復活しないが、ボタン操作だけは復活可能 という現行の修理方式についてご説明しました。

iPhoneSE3のホームボタンはiPhone7以降と同じく「センサータイプ」であり、製造時に本体とボタンが一対一で紐づけられています。そのため、別のボタンパーツに交換しても動作せず、Touch IDも復活しません。しかし「ボタンを押して戻る操作」そのものは『ユニバーサルホームボタン』を使うことで復活可能です。

当店ではまず、お客様にその点をしっかりご説明しました。お客様は「ボタン操作だけでも復活するなら十分」とのことで、修理に進むことになりました。このように、使用目的を明確にしたうえで修理方法を選ぶことがとても重要です。

修理作業の流れ(24カットで解説)

今回の作業は、定点カメラで記録を残しながら行いました。
以下、代表的なカットを抜粋して解説します。

01:端末の状態

ホームボタンにヒビが入っており「押す」操作も「Touch ID」も反応しません。


02:ペンタローブネジ

本体下側の端に留められているペンタローブネジ(星型の特殊ネジ)2本を外します。


03:ヒートガンで加熱

防水テープを柔らかくするため、ヒートガンで加熱します。


04:パネルオープン

下側のフロントパネルとフレームの隙間にスパッシャーを差し込み、下面→側面→上面の順にスライドして防水テープを剥がしていきます。


05:ディスプレイケーブル

金属製のカバーを外し、ディスプレイケーブルとホームボタンケーブルのコネクター計2本を外します。


06:フロントセンサーケーブル

金属製のカバーを外し、フロントセンサーケーブルのコネクター1本を外します。


07:ホームボタンカバー

フロントパネルに固定されたホームボタンを覆う金属製のカバーを外します。


08:ホームボタンコネクター

ホームボタンとフロントパネルに内蔵されたケーブルを接続しているコネクターを外します。


09:無水エタノール

ホームボタンはフロントパネル裏側に接着されているので、無水エタノールを少量差し込んで接着を緩めます。


10:ホームボタン1

接着面にスパッシャーを差し込み、慎重にホームボタンを剥がしていきます。


11:ホームボタン2

フロントパネルの表側に「落っことす」要領でホームボタンを取り外します。


12:ゴムパッキン

ホームボタンの淵に装着して、フロントパネルに固定するためのゴムパッキンを取り外します。


13:ユニバーサルホームボタン

最新式の「第6世代型ユニバーサルホームボタン」を使用します。


14:ゴムパッキン

先ほど、元のホームボタンから取り外したゴムパッキンを、新しいホームボタンに取り付けます。


15:ホームボタンの取り付け

フロントパネル正面側からケーブルを差し込み、ゴムパッキンが淵にしっかり固定されるように取り付けます。


16:ホームボタンコネクター

ホームボタンのコネクターをフロントパネル内蔵ケーブルの端子に取り付けます。


17:ホームボタンカバー

手順7で外しておいた金属製のカバーを、ネジ4本でしっかりと固定します。


18:本体と接続

フロントセンサー・ディスプレイ・ホームボタンの計3本のケーブルを本体に取り付けます。


19:起動テスト

ケーブルを接続した状態(仮組み)で本体の電源を入れ、問題なく起動することを確認します。


20:動作確認

ホームボタンの操作はもちろん、画面表示やタッチパネル、各種機能が問題なく動作するかをしっかりとチェックします。


21:本組み立て1

一度電源を切り、新しい防水テープを貼り直してから本組み立てに入ります。再度コネクターの緩みがないかを確認して上下のカバーを取り付けます。


22:本組み立て2

フロントパネル上部の固定ツメを取り付け、本体右側のケーブルを挟まないように注意しつつ、上から下に向かってフロントパネルをはめていきます。


23:ペンタローブネジ

フロントパネルがしっかりとはまったことを確認したら、本体下部にペンタローブネジ2本を取り付けます。


24:完了

再度電源を入れ、入念な最終動作確認を行います。


交換作業は約30分で完了。電源を入れて動作確認を行い「クリック感が戻っていること」や「戻る操作がスムーズに反応すること」をお客様と共に確認しました。

修理後の状態とお客様の声

修理後の動作は良好で、Touch IDは使えないものの、ホームボタンとしての操作感は完全に復活しました。お客様からは、

「他店では“修理できない”と言われて諦めていたので、本当に助かった」
「やっぱりホームボタンの“押す感覚”があると安心する」

という嬉しいお声をいただきました。

修理費用は 税込7,700円。正規店での「本体交換」と比較しても、非常にコストパフォーマンスの高い修理となりました。

まとめ:まだまだ現役、ホームボタンiPhone

ホームボタン搭載のiPhone(SEシリーズや8以前)は、いまだに多くのユーザーに愛されています。その理由はやはり「確実な操作感」と「誤作動の少なさ」と言われています。もしホームボタンが壊れてしまっても、

「Touch IDは使えなくてもボタン操作だけは復活できる」

という選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。

当店では、お客様のご希望と状況に合わせて『使える状態を取り戻す』を重視した修理プランをご提案しています。ホームボタンの不具合や動作異常でお困りの際は、ぜひお気軽に浦和の当店までご相談ください。