iPhoneの生体認証が必須な状況と故障時の回避策〜パスコードでは通らない操作とは〜

こんにちは!埼玉県さいたま市浦和のiPhone修理専門店『iPhone修理のスマケア工房』店長です。ご覧いただきありがとうございます。
当店は「即日対応・データそのまま・安心品質」をモットーに、iPhoneのバッテリー交換や画面修理、水没復旧など幅広く対応しています。浦和駅から徒歩圏内でアクセスしやすく、地域の皆さまに信頼いただける修理サービスを目指しています。
今回のテーマ
本日のテーマは「iPhoneの生体認証が必須な状況と故障時の回避策」です。iPhoneを使う上で、今や欠かせない存在となった「生体認証」。Touch ID(指紋認証)やFace ID(顔認証)は、毎日のロック解除や支払いをスムーズにしてくれる便利な機能です。

しかし、ある日突然「Face IDが使えない」「Touch IDが反応しない」といったトラブルが起こることがあります。そんなときに「パスコードを入れれば使えるでしょ?」と思っても、実はパスコードでは通らない生体認証必須の操作がいくつも存在します。この記事では、
- 生体認証が必須になる具体的なケース
- その理由と仕組み
- 故障時の現実的な回避策
- 修理が可能なケースと、実際の修理現場の判断基準
を、iPhone修理専門店の視点から詳しく解説します。
生体認証が必須となる場面とは?
まず最初に、「パスコードでは代用できない=生体認証が必須」な状況を整理してみましょう。これは単に「便利だから」ではなく、セキュリティ上の制約として設計されています。
1.Apple Pay(支払い認証)
代表的なのがApple Payでの決済。iPhoneやApple WatchでSuicaやクレジットカードを使う際、Touch IDまたはFace IDによる認証が必要です。
指紋/顔で本人確認 → 電子マネーが有効化 → 決済完了
という流れになっており、パスコードでは支払いの最終承認ができません。これは「なりすましによる不正利用」を防ぐために設けられた制限で、たとえロック解除ができても、生体認証が使えない状態ではApple Payは利用できません。
2.銀行アプリ・金融関連アプリのログイン
多くの銀行・証券・電子マネーアプリでも、ログイン時の本人確認にFace ID/Touch IDが利用されています。アプリ内では一見「パスコードログイン」もあるように見えますが、生体認証を前提にセキュリティキーを発行している場合、認証が通らないと「別の端末からの不正アクセス」として拒否されることがあります。特に代表的な例は、
- 三菱UFJ銀行アプリ
- PayPay銀行・楽天銀行・ゆうちょ認証アプリ
- au PAY・d払いなどのウォレット系アプリ
これらは一度Face ID連携を有効化してしまうと、解除には再ログインや端末再登録が必要になることも多く、生体認証が壊れていると非常に手間がかかります。
3.パスワード自動入力(キーチェーン認証)
Safariやアプリ内のログインフォームで、Apple純正の「パスワード自動入力」を使っている場合も要注意です。この機能はFace ID/Touch IDで本人確認を行ってからパスワードを展開する仕組みなので、生体認証が使えないとログイン情報が呼び出せません。
「パスワードはiPhoneに全部入れてあるから安心」と思っていても、認証できなければ取り出せない、という落とし穴があるのです。
4.App Store・Apple ID関連操作
App Storeでアプリを購入・アップデートする際、Touch IDやFace IDを使って認証している場合も多いですよね。生体認証が使えないと、その都度Apple IDのパスワード入力が求められます。これ自体は代替可能ですが、Apple IDのパスワードを忘れている場合は詰んでしまうケースもあります。
また、iCloudキーチェーンや設定変更時の二要素認証もFace ID連携が前提になっており、セキュリティを強化しているユーザーほど影響が大きい傾向です。
なぜ「パスコード」ではダメなのか?
Appleのセキュリティ設計では「デバイスのロック解除」と「本人確認」は別レイヤーで管理されています。
- ロック解除(パスコード)=端末利用の権限
- 生体認証(Face/Touch ID)=取引・認証の権限
つまり、パスコードは「使うことの許可」ですが、生体認証は「本人であることの保証」。Apple Payや金融系アプリでは後者の「本人保証」が求められるため、パスコードでは代用できないのです。これにより、仮にパスコードを見られても決済やログインまでは到達できないという安全設計になっています。
生体認証が使えないときの回避策
とはいえ、Face IDやTouch IDが突然使えなくなったら困りますよね。そんなときにできる現実的な対処法を紹介します。
【A】Apple Payが使えないときの対処法
1.クレジットカードや交通系ICの「実カード」利用
最も確実なのは、物理カードやSuicaカードを使う方法です。Face IDが壊れていると「ダブルクリックで支払い→認証」まで進めないため、Apple Payは基本的に利用不可になります。そのため:
- クレカ → 実物のカードで支払い
- Suica/PASMO → 物理カードで改札・支払い
- iD/QUICPay → 実カード対応の別決済手段を使用
【補足】
再設定しても「Face IDを設定してください」という警告が出て止まることが多く、パスコードのみで支払いを完了する方法は原則ありません。
2.iPhoneの「エクスプレスカード」設定を確認
SuicaやPASMOの場合、「エクスプレスカード」に設定されていれば、Face ID/Touch IDなしで改札通過や支払いが可能です。確認方法:
- 設定 → WalletとApple Pay
- エクスプレスカード設定 → Suicaなどを選択
これを有効にしておくと、Face IDが壊れていても端末をかざすだけで利用可能です。ただし、登録済みカードを削除・再登録すると再びFace IDが必要になるので注意。
3.Apple Payからの支払いを中止して一時的にWeb決済へ
たとえば、Amazonやアプリ内課金などで「Apple Pay」以外に「クレカ番号直接入力」や「PayPay支払い」などの選択肢があれば、生体認証を要求されない支払い方法を選びます。→ これが一番実用的な回避策です。
【B】銀行アプリ・決済アプリが使えないとき
1.「生体認証ログイン」を一時的に無効化
多くのアプリでは、生体認証が壊れていても以下の手順でログイン可能です。例:
- アプリ起動 → 「Face IDでログイン」画面 → 「パスワードでログイン」や「別の方法でログイン」を選択
- 通常のユーザーID+パスワードでログイン可能
アプリによっては設定から:
- 設定 → セキュリティ → 生体認証ログインをOFF
とすることで、パスワードログインを恒常的に使えるようになります。
2.別端末(iPadやパソコン)でログイン
同じ銀行アカウントであれば、PCブラウザやタブレットのアプリから操作できる場合が多いです。生体認証が壊れているのはiPhoneだけなので、他端末からのアクセスが有効な回避策です。
3.ワンタイムパスワードアプリの移行・再設定
銀行アプリによっては、生体認証が壊れるとワンタイムパスワード機能も一緒に使えなくなることがあります。この場合:
- 銀行窓口またはサポートに連絡し、ワンタイムパスワードを「再発行」してもらう
- 新しい端末やWebブラウザで再設定する
という手続きで復旧可能です。
【注意点】
「Apple Pay」や「iCloudキーチェーン」など、Appleのセキュリティポリシー上、生体認証なしでは操作できない領域は完全な代替手段がありません。ただし、エクスプレスカードSuicaやパスワードログイン対応アプリなど、例外的に使える手段を組み合わせれば、日常利用に大きな支障を減らせます。
なぜ「生体認証」は修理で直せないのか?
iPhoneのFace IDやTouch IDが壊れてしまった場合「部品を交換すれば直るのでは?」と思う方も多いでしょう。しかし、実際には生体認証の修理は非常に難しく『多くのケースで“本体交換が必要』になります。その理由は、Appleが採用している高度なセキュリティ設計にあります。
iPhoneの生体認証に関わるパーツ(Face IDのTrueDepthカメラや赤外線センサー、Touch IDのホームボタンなど)には『それぞれ固有のシリアル番号(識別コード)』が埋め込まれています。そしてこのシリアル情報は、本体基板上のセキュリティチップとペアリング(紐付け)されています。つまり、Face IDやTouch IDは「センサー単体」で動作しているわけではなく、本体と完全に一対一で認証情報を共有している構造なのです。
そのため、仮に生体認証ユニットを別のiPhoneから移植しても、基板がそのセンサーを「別の個体」と判断してしまい、機能がロックされます。これは不正修理や偽造パーツの利用を防ぐためのセキュリティ機構であり、Appleがユーザーの生体情報を保護するために意図的に設計している仕様です。
結果として、センサーそのものが故障している場合は、パーツ交換では復旧できません。この場合、Apple公式または正規修理拠点での『本体交換』が唯一の対応方法となります。
修理できるのは“認証部品が生きている”場合のみ
iPhoneの生体認証は、高度なセキュリティを守るために本体基板と一体管理されており、認証シリアルの移植は不可能です。そのため、認証モジュール自体が故障している場合は本体交換が必須です。修理で直るのは、
- ケーブルやコネクターの不良
- 組み立て精度のズレ
- iOSの認識不具合やデータ破損
といった“周辺要因”が原因のときに限られます。
こうした場合は、生体認証モジュールそのものが壊れているわけではないため、ケーブルの交換、内部の清掃・再組み立て、あるいはiOSの再構成によって復旧する可能性があります。特にFace IDでは、組立精度の質により微細な断線を起こしているケースが多く、慎重に調整・再実装することで機能が戻ることがあります。
修理店の現場からひとこと
当店でも、Face IDやTouch IDのご相談は増えています。最近は「画面交換後にFace IDが使えなくなった」「水没後から反応しない」というパターンが多いです。Face ID関連は非常にデリケートな構造で、軽微な損傷があるだけでも認識しなくなります。
ただし「完全に壊れた」と思っても、接点クリーニングや部品調整で復活する例もあり、修理の見極めが重要です。まずは「修理不可」と諦める前に、専門の修理店で診断を受けてみることをおすすめします。
↓↓↓Face ID修理については以下の記事もご覧ください。
まとめ
- 生体認証が必須な操作はApple Pay・銀行アプリ・キーチェーンなど多数
- パスコードでは代用できないのは“本人確認”のため
- 故障時は、バックアップ・代替手段・安全な管理で一時対応
- 修理で直るのは一部(ケーブル断線・接触不良など)のみ
浦和・川口エリアでiPhone修理・Face ID/Touch ID診断なら「iPhone修理のスマケア工房」へ。セキュリティ機能に関するご相談や、修理可能かの診断も承っています。生体認証トラブルでお困りの際は、ぜひお気軽にご来店ください。


